道北自動車工業株式会社
柳迫さん, 宮本さん

留萌出身で、電気科の学校を卒業後入社した柳迫さんと、比布出身で高校卒業後、1年間職業訓練校に通ってから入社した宮本さん。平成7年の同期入社、勤続21年。道北自動車工業のお二人にお話を伺いました。

道北自動車工業株式会社

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ここでしか経験できない事が沢山あるんです

—入社当時は仕事に対してどんな印象でしたか?

最初は乗用車に触れることだけをイメージしていました。普段から馴染みがあるのは乗用車なので当然ですよね。ところが弊社は大型車や特殊車両などを扱うので、予想とはずいぶん違う仕事内容でした。今にして思うと、それがこの会社の面白いところで、ここでしか経験できない様な事が沢山あるんですよ。
二人とも自動車の知識・技術が全くない状態で始まっていますので、自動車科や専門学校などを出ていなくても十分にやっていけると、背中を押したいですね。

—ここでしか経験できない事とは?

やはり特殊車両などの修理です。他社ではあまり扱っていないような“はたらくクルマ”を手掛けている事が、1番の自慢です。“はたらくクルマ”といっても沢山の種類がありますが、弊社で対応していないのはバキュームカーくらいですね。
特殊車両は、走る為の車体部分のその上にタンクやクレーンなど数えきれないバリエーションの機構があります。特殊車両メーカーの指定サービス工場になっているので、メーカーからの依頼で、修理だけでなく新車にリフト等の特殊機構を取り付けたりもします。

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トラックが好きになりました

—仕事はどうやって覚えてきましたか?

柳迫:僕たちは入社当初、車体グループからスタートしました。その中でも僕は事故車両のボディーの修理などを行なう板金班に、宮本はタンクローリーのタンクやトラックの荷台などの、上物と呼ばれる特殊車両の“特殊な部分”の修理が専門の機工班に分かれて配属されました。

宮本:私は入社時からずっと機工班にいるのですが、トラックが好きになりましたね。当初は興味も無く未知の世界でしたが、徐々に各メーカーの特色が見えてきましたし、最近は機能だけでなくデザインも進化していて、単純にカッコイイんですよね。そこにお客様のこだわりが反映されていたりして、見ているだけでも楽しいです。
上物にも本当に沢山の種類があり、壊れ方も様々です。時にはどうしたら良いかわからない事もあります。ところがその修理が、他の工場で修理できず弊社を頼ってきて頂いた仕事だったりするんです。やっぱり「他で出来ない事をウチでは出来る」と言いたいですから、もう意地です(笑)。調べるなりメーカーや知人に聞くなりして、それでダメでもトライ&エラーを繰り返し、必ず直して出すようにしてきました。仕事で使う車ですので、使えなかったらお客様は本当に困りますからね。どうやっても直してあげたいという気持ちがあるんです。

—今までで一番大変だった修理は?

宮本:塵芥車(ごみ収集車)の修理ですね。電気的にも油圧の部分に関しても作りが細かく、ボタン1つで見えないところで複雑な動きをしますので。塵芥車に限る事ではありませんが、仕事中に壊れて動けなくなる事もあります。そんな時は現場にサービスカーで駆けつけ応急処置をしたりします。その際は弊社に運ぶ、お客様の会社まで戻れるようにするなど、状況とご要望に合わせて修理の方法も変わってきます。

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お客様の要望から、新しい部署を立ち上げ

—柳迫さんは部署が変わったそうですね。

柳迫:板金班には15年くらい居ました。最初の頃はトラックの事故車両の修理を専門に担当していたのですが、途中、乗用車の班と合体してからは乗用車も手がける様になりました。同じ板金でも乗用車とトラックでは全然別物で、その違いに対応していくうちに色々な技術が身についてきました。例えば鉄板の伸び縮みを予測したり、経験による勘が必要になる部分もあります。なにより、事故というのは100件あれば100通りあって、同じ修理というものは無く、その都度考えて直していくが、面白いところだと思います。
今は中古車の販売をする部署にいます。弊社に販売の部署はなかったのですが、お付き合いの長いお客様の車両が直らないレベルの壊れ方をした際に、修理代に見合った車を用意できないか相談された事がきっかけでした。何度かそういったケースが続いたので、自分から社長に提案して、中古車の販売部署を立ち上げる事になりました。弊社は修理がメインの会社ですから、自社でその後の修理も対応できて安心だと思いますし、ご要望があれば仕入れた車の見た目や機能をカスタマイズしてお渡しする事もできますので、大変喜ばれています。
立ち上げ当初は板金の業務と掛け持ち状態だったので大変でしたが、今では販売の業務も軌道に乗り、後輩が頼もしく育ってくれた事も相まって、集中する事ができています。

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—どんな方と働きたいですか?

宮本:年齢問わず、経験者の方が来てくれたら嬉しいですが、特殊車両の経験がある方は本当に少ないですから、若い人に1から覚えて行って欲しいと思っています。
僕たちの少し下の世代も、力をつけてきていて、工場内も活気がありますよ。皆やる気をもって仕事に当たってくれているので、本当に助かります。それぞれに個性があって、世代が違えば当然考え方も違ったりしますが、自分のやり方を押し付けたりせず、時にはこちらから歩み寄り、合わせる所は合わせてお互い楽しく仕事ができるように心掛けています。

柳迫:今は僕がお客様との窓口となり、車体グループの長となった宮本に相談・指示しながら仕事を回しています。同期の太いパイプで社内を繋ぎ、スケジュールを共有したり仕事がしやすい状態です。今の若い社員も近い年齢が一定数いるので、横の繋がりをいい方向に活かしていって欲しいと思っています。これから迎える新入社員にも、縦にも横にも良い関係を築いて欲しいですね。

はっきりと成長を実感できる

—やっててよかったと思う瞬間は?

宮本:瞬間というか、毎日が勉強という中で、自分に新しい技術が身についてくる実感が良いですね。原因がつかめなかった修理ができるようになった時などは、はっきりと成長を感じられるんです。そしてその技術を後輩に伝えていける事が喜びです。特殊なだけでなく、本当に世の中に必要な技術ですから、そういう仕事をしている充実感を、より多くの同僚と共有したいと思っています。

柳迫:頻繁に自分が手がけた車が走っているのを見かけるのですが「やってるな、動いてるな」って嬉しくなります。苦労した車ほど強く印象に残っていて、すぐにわかるんですよ。

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—これから入社する皆さんにメッセージをお願い致します!

柳迫:僕は先輩から仕事を教わりました。先輩もその先輩から教わりました。そうやって繋いできた伝統を受け継いで行って欲しいです。時代も変われば車も変わりますし、大変な時代だと思いますが、僕たちが退職した後も変わらず「道北自工に頼めば、何でも直る」と言っていただける会社でいてくれたら、と思うんです。

宮本:「道北自工は絶対直す」という誇りがあります。それを守っていくためには、様々な変化に対応しながらレベルアップし続ける必要があると思っています。この仕事はやればやるほど新しい発見があり、追及していける奥の深さがあり、どんどん楽しくなってくるのでやりがい十分です。未知の世界で経験を積んでみながら、一緒に頑張りましょう!

 

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